里帰り出産をしたのだが、実家にいる間の食費も光熱費も移動代も全て両親に負担してもらっていた。しかも上げ膳据え膳の3食昼寝付である。母の久しぶりの手料理と、赤ちゃんが下に下がったということもあり、私の食欲は止まらず、里帰りしてから数キロ太ってしまって産婦人科の先生に怒られてしまった。そして太ってしまった分のツケは自分に回ってきて、超難産の末に、息子はようやく産まれたのだった。

出産して病院から実家に帰っても、そんな生活は続いていた。食費も光熱費も両親に甘えっぱなしである。落ち着いたらお礼をするにしても、こんなに両親に甘えた生活に慣れてしまうと、自宅に戻ったときにちゃんとやっていけるのか、逆に不安だ。そんな折、水道局の人がやってきて、水道代が上がっているのだけど、何かありましたか？と聞いてきた。両親が水道局の人に「娘が今里帰り中なんですよ」と答えると、水道局の人は納得して帰って行った。なんでそんなことを聞くんだろうと思っていたら、急に水道代金が跳ね上がるときは水漏れしている可能性が高いので、生活に変わったことがなかったかを尋ねるのだそうだ。水道局の人が驚くくらい値段が跳ね上がっているということを知った私は、両親へのお礼を奮発しなくてはと思った。

ところが私が自宅に帰って数週間後、母から電話があった。何と水道代金が上がったのは私達親子がいたからだけでなく、本当に水漏れしていることがわかったのだそうだ。トイレの調子が悪くてそうなってしまったらしいのだけど…。そして金額を聞いて驚いてしまった。水道使用量が2倍でも水道使用料はそれ以上になってしまうそうだ。

お礼を兼ねてお見舞いも包もうと、夫と密かに決めたのである。